今日から新たな章、プログラミングの世界に飛び込んでいきましょう。まずは、プログラミングの基礎とも言える「アルゴリズム」について理解を深めていきます。アルゴリズムの表記、基本構造、そして効率性について探求していきます。
黒板
授業
アルゴリズムとは何か
さて、今日からは新たなテーマ、「プログラミング」について学んでいくよ。とはいえ、なおや君。プログラミングと言われて何を思い浮かべる?
うーん、コードを書いて何かを作ること?でも、なんか難しそうで…
それは半分正解だよ。でも、大事なのは、問題を解決するための手順やルールを考えることだよ。それを示すのが「アルゴリズム」なんだ。
アルゴリズム…、なんかカッコイイ響きですね!それって、何か例えばどういうことですか?
アルゴリズムの表記
例えば、目的値までの最短ルートを考えることもアルゴリズムの一つだよ。そのルートを地図に書き出すのが「アルゴリズムの表記」だね。
あー、なるほど!あらかじめルートを考えずに、いきなり歩き始めても遠回りしてしまうかもしれないので、地図にルートを書いておくというような感じですか?
まさにそれだ!そして、その表記方法は色々あって、フローチャート、アクティビティ図などがあるよ。
なるほど、フローチャートは中学の時に習ったような気がします。
フローチャートの書き方
「フローチャート」はアルゴリズムの表現方法として、昔から使われているものだ、処理の流れを記号で書き表したもので、「流れ図」とも呼ばれるよ。
中学の時の記憶が完全になくなっています。教えてください。
まず、「始点・終点」を表す円形、次に「処理」を示す長方形、その次に「判断」を示す菱形や、「ループの始端や終端」を表す台形に似た記号があるよ。また、これらの記号を繋ぐ矢印は「流れ」を示しているんだ。
なるほど、それぞれの記号が特定の意味を持っているんですね!でも、実際にどう使うの?
例えば、ある数が偶数か奇数かを判定するフローチャートを考えてみよう。始点から出発して、「数値を読み取る」処理を経て、次に「2で割り切れるか」を判断する。割り切れたら「偶数」と出力し、割り切れなかったら「奇数」と出力する。最後に終点へ到達する、という流れになるよ。
なるほど、頭の中で考えるよりもら分かりやすいですね!
アルゴリズムの基本構造
そうそう。そして、アルゴリズムには「基本構造」があるんだ。それは順次構造、選択構造、反復構造の3つだよ。
ふーん、それって何ですか?
順次構造は上から順番に処理をする構造だよ。そして、選択構造は条件により処理を分ける構造で、反復構造は特定の条件下で同じ処理を繰り返す構造だよ。
なるほど。じゃあ、家から学校までの道順で言うと、途中でコンビニに寄るか寄らないかとか、同じ道を何回通るかとかがそれにあたるんですか?
ぴったりだ!それがプログラミングの基本的な考え方だよ。
アルゴリズムの効率性
最後に、アルゴリズムの効率性について学びましょう。アルゴリズムは結果に至るまでにさまざまな手順がありますが、効率的なアルゴリズムを作ることで、より短時間での処理が可能となるんです。
でも、どうやって効率的なアルゴリズムを作るんですか?
良い質問だね。例えば、多くのデータの中から目的のデータを見つけ出すことを探索というけれど、ここでは探索の種類を紹介するよ。まず、データから順番に探していく最もシンプルな探索を線形探索という。
アルゴリズムって言っても。ただ順番に見ているだけですよね。それって効率悪そう。
そうだね。線形探索はあまり効率の良い探索法ではないね。だから、最初にデータをある基準に従って並べ替えすることで、もう少し効率の良い方法がとれるよ。並べ替えられたデータは二分探索という方法で効率良く探すことができるんだよ。
二分探索って何ですか?
二分探索は、まず中央のデータを見て目的のデータと比較し、目的のデータが中央のデータより小さければ左側のデータ、大きければ右側のデータを次に探索するというものだよ。それを繰り返すことで、目的のデータを効率的に見つけ出すことができるんだ。
なるほど、それなら探しやすそうですね。
それだけではなく、さらに効率を良くするためのアルゴリズムも存在するんだよ。例えば、ハッシュ法という方法では、目的のデータを直接参照することで、一定の時間で探索を終えることができるんだ。
ハッシュ法?それは初めて聞きました。
詳細は少し複雑だけど、データを特定の方法で分類し、それぞれの分類に直接アクセスすることで探索時間を大幅に削減できるんだ。そのため、大量のデータを効率的に扱うためには、適切なアルゴリズムの選択が重要になるんだよ。
なるほど、それなら大量のデータも怖くないですね。これからも色々なアルゴリズムを学んでいきたいと思います。ありがとうございました!
君の学びの姿勢、とても素晴らしいね。どんな問題も、適切なアルゴリズムを用いて解決していけるといいね。引き続き頑張ってね!
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まとめ
名言解説
Simplicity is prerequisite for reliability. Edsger Dijkstra
エドガー・ダイクストラは、オランダのコンピュータ科学者で、構造化プログラミングの提唱者として有名です。彼の考え方や研究は現代のコンピュータプログラミングに大きな影響を与え、最短経路を見つける「ダイクストラ法」やプロセス制御方式「セマフォ」の創案者としても知られています。
彼の名言「シンプルであることは信頼性の必須条件だ」は、ソフトウェア開発やアルゴリズム設計の世界で非常に重要なメッセージを伝えています。アルゴリズムやプログラムがシンプルであるほど、その動作は予測しやすく、エラーやバグも起きにくいです。つまり、シンプルさがその信頼性を保証するのです。逆に複雑で理解しにくいプログラムは、予期せぬ問題を引き起こす可能性が高くなります。
アルゴリズムを学ぶ上で、必ずしも複雑なものが良いわけではないということを覚えておいてください。複雑な問題でも、その解決方法を最もシンプルな形で表現できるアルゴリズムが最も優れています。ダイクストラのこの名言を心に留め、シンプルさと信頼性の関係性を理解することで、皆さんのアルゴリズム学習がより深まることを願っています。
問題
「クイズをスタート」のボタンをクリックすると、5問出題します。さあチャレンジ!
編集者ひとこと
人工知能(AI)の中にも、シンボリックなAIと、ディープラーニングという二つのアプローチがあるのを知っていますか?シンボリックなAIというのは、アルゴリズムに従って情報を処理して結論を導きます。一方のディープラーニングは人間の脳の機能を模倣した人工ニューラルネットワークを使用して、データからパターンを学習し、新たな入力データに対する予測を行う方法なんです。
今注目されている、ChatGPTなどの生成系AIは、後者のディープラーニングのアプローチを使っていて、最近はシンボリックなAIはあまり注目されていません。では、いまさらアルゴリズムを勉強してもしょうがないのか?というともちろんそんなことはありません。ディープラーニングを実現するためのプログラムを作るには、やっぱりアルゴリズムが必要なんです。ちょっとややこしいですが、人間が考えたアルゴリズムとデータがなければ、AIは何も考え始めることはできないのです。
次回は、プログラミングを開始します。「プログラミング言語と実装」です。覚悟はいいですか?お楽しみに。
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