今日の授業では、「コミュニケーションと情報デザイン」にフォーカスを当て、効果的なプレゼンテーションの作り方を学んでいきます。企画から資料作成、リハーサル、発表、そして評価・改善という一連の流れを通じて、聞き手に伝わるプレゼンテーションの秘訣を解き明かします。
黒板
授業
企画
さてなおや君、今日はプレゼンテーションについて学ぼう。まずは企画からだよ。君のテーマは「Well-being(ウェルビーイング)と未来社会-幸せとは何か」だね?
はい、全国高校生プレゼン甲子園で、このテーマで発表したいんです。
それは素晴らしい。企画段階では、具体的に何について話すのか、どのように話すのかを明確にすることが重要だよ。
そのテーマって、広すぎますよね。何から手をつければいいんだろう?
大きなテーマを身近な問題に絞り込むことで、具体的に考えやすくなるよ。君が日常生活の中で、幸せと感じる瞬間は何だろう?
それは…友達と遊んだり、好きな音楽を聞いたり、美味しいご飯を食べたりする時ですかね。
それなら、君のテーマは「友達、音楽、食事 – これらが私たちの幸せにどのように影響するのか」に絞り込めるかもしれないね。
なるほど、だから、何を伝えたいのか、誰に伝えたいのか少しイメージ出来てきました。でも、どんな展開にできるかちょっと不安で・・
シナリオの展開にもいくつか定番があるんだ。有名なものにPREP法というものがあるよ。Point(要点)→Reason(理由)→Exanple(例)→Point(結論の再提示)という順番に展開するんだ。
それ聞いたことがあります。やってみますね。私の主張(Point)として、幸せというものは、友達、音楽、食事などの日常生活の一部と深く関連しているという事を述べます。
うんうん
なぜなら(Reason)は 人間関係を通して安心を、音楽を通して感情を、食事を通して命と人間関係を深めるから。
いい感じ!
例として(Example)、 友達が支えになってくれたことや、音楽でストレスを解消したこと、バーベキューで盛り上がったこと等を入れて、最後にPointで締めるというのでどうでしょう
資料作成
いい感じのシナリオができたたね。次に、それらをプレゼンテーションソフトウェアのスライドにまとめていくんだ。
スライド作りって難しそうですね。
大丈夫、一つのポイントを一つのスライドにまとめるのが基本だよ。情報を整理しながら、聴き手が直感的に理解できるように作成するんだ。
なるほど、情報を整理して、伝えやすい形にするんですね。
そうだね。なおや君の意見だけでなく、科学的な根拠や他人の意見も取り入れると、より説得力が出るよ。
資料作成、大変そうですけど、頑張ってみます。でも、どうすればいいのかちょっと不安です。
心配しなくて大丈夫だよ。まずはテーマについての自分の考えを整理してみて。それから、その考えを裏付けるデータや引用を探してみるんだ。
データですか・・・。友達との関わりが幸せにどう影響するかとか、音楽や食事が心理的なウェルビーイングにどう関わるかのデータを探してみようと思います。
いいね。ネットで調べるだけでなく、クラスでアンケートを取るなどするのも有効だよ。
なるほど、そういったテーマならみんなアンケートに答えてくれそうです。
資料完成!!
Well-beingリハーサル
スライドができたら、発表のリハーサルを行うんだ。この時に、内容の伝わりやすさや、時間配分などを確認するんだよ。
自分が発表していても、時間ってわからないものですよね。
そうだね、それがリハーサルの重要なポイントの一つだよ。自分だけでなく、友達や先生に聞いてもらって、フィードバックをもらうと良いんだ。
なるほど、他の人の意見も聞いて、改善していくんですね。
発表
そして、いよいよ本番の発表だ。ここでは、スライドや話す内容だけでなく、視線の使い方やジェスチャーも大切になるよ。
そうなんですね。自分の身振り手振りも気を付けないといけないんですね。
そうだよ。発表は自分の思いを伝えるためのパフォーマンスだからね。
プレゼンテーションの評価と改善
さて、プレゼンテーションが終わったところで、アンケートを実施して、聴き手からのフィードバックを得てみましょう。
そうですね、自分がどう感じたかだけでなく、他の人がどう思ったかも知ることは大切ですね。
その通り。また、自分でも良かった点・改善すべき点を振り返ることも重要だよ。
自己評価ですね。より客観的な視点を持つためにも、自分の発表を評価するのは大切ですね。
うん、そしてその評価結果を元に、改善策を考えるんだ。資料や発表方法、内容の整理方針など、どこをどう改善するか、具体的に計画を立ててみてね。これをフィードバックというよ。
わかりました。評価結果を分析して、次の資料作成や発表に生かしてみます。
プレゼンテーションはコミュニケーションの一形態で、自分の考えを他人に伝えるためのものだ。自分の考えを信じて、自信をもって発表してね。
まとめ
名言解説
“There are always three speeches, for every one you actually gave. The one you practiced, the one you gave, and the one you wish you gave.” – Dale Carnegie
デール・カーネギーは、自己啓発、販売、企業訓練、スピーチ指導といった分野で活躍した著名な作家・講師であり、「人を動かす」など、多くのベストセラーを生み出しました。彼は人々が自信を持って公共の場で話すための技術や、人間関係を築くための方法を教えてきました。
カーネギーのこの名言は、一つのプレゼンテーションには常に三つのスピーチが存在するという考え方を示しています。つまり、プレゼンテーションは一つだけではなく、前もって練習したスピーチ、実際に発表したスピーチ、そして後になって思い返してみたときに「ああ、こう発表すればよかった」と思うスピーチ、の3つが存在するということです。
これは自己改善と成長のプロセスを示すものでもあります。経験を通じて、我々はより効果的なコミュニケーションの方法を学び、自己表現の技術を磨きます。だからこそ、自分がどのように話すかを反省し、評価し、次に活かすことが重要なのです。
高校生の皆さんへのメッセージとしては、プレゼンテーションの成功は一回の発表で決まるものではなく、その過程と改善を通じて達成されるものだと理解してください。失敗から学び、成功につなげる能力こそが、より良いプレゼンテーション、そしてより良いコミュニケーターへと皆さんを導く鍵となります。
問題
「クイズをスタート」のボタンをクリックすると、5問出題します。さあチャレンジ!
編集者ひとこと
生徒が、全国高校生プレゼン甲子園に出場するという設定で、授業を進めました。ここで題材にした、「Well-being(ウェルビーイング)と未来社会-幸せとは何か」は、実際に2023年の大会に出題されているテーマを使ってみました。
授業の中で、なおや君が考えたシナリオは、ChatGPTが考えてくれたものです。なんだか聴いてみたくなりませんでしたか?さらに、GAMMA(https://gamma.app/)というサービスを使って、AIにスライドまで作ってもらいました。簡単なシナリオを入れると、30秒ほどでスライドを作ってPDF出力してくれました。凄すぎる!それにしても、こうした生成系AIをどこまで認めるか?主催者側も悩みどころでしょうね。
なお、2023年のプレゼン甲子園は、7月8日、9日にブロック予選が行われ8月19日に決勝大会があるそうです。楽しみですね。なお、これまでの大会の様子はネットから見ることができます。決勝まで進んだ高校生のプレゼンはどれも素晴らしく、とてもいい勉強になりますよ。皆さんも、ぜひチャレンジしてくださいね。
次回から、第3章「コンピュータとプログラミング」に入ります。いよいよお待ちかねのプログラミングですよ!。初回は「コンピュータの基本構成(ハードウェア)」です。プログラミングに入る前に、コンピュータの構成についてしっかり理解しましょう。お楽しみに。
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