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33.通信プロトコルとパケット

通信プロトコル 4.情報通信ネットワークとデータの活用

今日の授業では、情報通信ネットワークとデータの活用について学びます。通信プロトコルやTCP/IP、通信方式、そしてパケット通信について解説します。

黒板

授業

通信の始まり

前回インターネットの構成や歴史について勉強したよね。今回はインターネットがどうやって動いている学ぼう。

インターネットがあることが当たり前なので、どうやって動いているか考えたことも有りませんでした。わかりやすくお願いします。

通信プロトコルとは

それではまず、通信プロトコルについて説明しよう。ネットワーク上でデータを正しくやり取りするためには、共通の取り決め、つまり通信プロトコルが必要なんだ。

そうなんですね。でも、なんでそんな共通の取り決めが必要なんですか?

それはさまざまな機器やソフトウェアがインターネットに接続されているからだよ。それらに依存することなくデータのやり取りをするために、通信プロトコルという統一規格が必要なんだ。

なるほど、それが通信プロトコルなんですね。

TCP/IPとは

そして、インターネットは、4階層からなるこのプロトコルを通じて、データは送信者から受信者へと正しく送られるんだ。

4階層って、何を指すんですか?

アプリケーション層トランスポート層インターネット層、そしてネットワークインターフェース(リンク層)を指すんだよ。送信者のデータは上から下へと流れ、受信者では逆に下から上へとデータが復元されるんだ。

いきなり4つも言われても、頭がついていけません。一つ一つお願いします。

そうだね。ではそれぞれの層が果たす役割について順番に説明しよう。まず最初のアプリケーション層は、アプリケーションソフトウェアの通信形式や手順を示すんだ。たとえば、Webブラウザやメールソフトなどのアプリケーションがこの層で動作するんだ。

ふーん。つまり私が普段使っているアプリが動いているのがアプリケーション層ということですね。

そうだね。次にトランスポート層だ。この層では、データを分割し正しく送受信されたかチェックするよ。この層の主なプロトコルには、TCP(Transmission Control Protocol)UDP(User Datagram Protocol)があるんだ。

TCPっていうのは、どこかで聞いたことがあるね。たしか、TCP/IPとか言ったような・・・。

おっ、いいね。TCP/IPはインターネットのプロトコルとして広く使われているよ。TCPは、Transmission Control Protocolでトランスポート層のプロトコル。そしてIPはInternet Protocoでこれから話すインターネットプロトコル層だよ。

なるほど。2つの層のプロトコルをまとめて、TCP/IPというのですね。

その通り。この、インターネット層は、データの宛先と経路を決定するんだ。つまりデータが目的地に到達するための道筋が決まるよ。

IPアドレスって聞いたことがあるんですけど、これと関係有りますか?

いい質問だね。IPアドレスは通信相手を特定するための住所のようなものだね。経路を決める前にまずは住所がわからないと行けないからね。これもインターネット層で規定しているよ。

なるほどね。それでデータが迷子にならないで済んでいるんですね。

最後に、ネットワークインターフェース層では、具体的な通信媒体(たとえばイーサネットやWi-Fiなど)を使ってデータを物理的に送受信するんだ。

物理的な送受信…それは、実際にデータが電信号として送られるってことですか?

その通りだよ。これら4つの層を通過することで、データは送信者から受信者へと送られ、それぞれのデバイスで適切に処理されて情報として利用されるわけだね。

なるほど、これらのプロセスを経ることで、例えばインターネットで動画を見るとか、メールを送るとかが可能になるんですね。

通信方式とは

さあ、次に通信方式について説明しよう。インターネットでは、一定の長さに分割したパケットという通信単位を利用してデータを送信するんだ。これをパケット交換方式というんだ。

なんか難しそう…。私たちが電話で話すときとは違うんですか?

電話で話すときは、通話している二人が回線を占有するから他の人が割り込むことはできない。これを回線交換方式という。でも、パケット交換方式では回線を占有せずに送信できるから、ネットワークの効率性が飛躍的に向上するんだ。

なるほど、だからインターネットは同時にたくさんの人が使えるんですね。

パケット通信とは

次に、パケット交換方式についてもう少し詳しく説明するよ。パケット交換方式ではデータをパケットと呼ばれる小さな単位に分割して送受信する方式で、パケット通信とも言うよ。

ところで、さっきから出てきているパケットって何ですか?

パケットはデータ通信の最小単位で、ヘッダとペイロードから成るんだ。ヘッダには送信元や宛先のアドレスなど、パケットを適切に送受信するための情報が含まれているよ。ペイロードは実際に送信するデータそのものだね。

それなら一つ一つのパケットは小さいんですね。なるほど、そうすると大きなデータでも送れるわけですね。

パケット通信のメリット

その通りだよ。パケット通信のメリットは、大量のデータを分割して送信できることだけでなく、ネットワークの混雑具合に応じて最適なルートを選んでパケットを送ることができるところにあるよ。

最適なルートを選ぶってどういうことですか?

例えば、データを送信するときに一部のルートが混雑していると、その部分を避けて他のルートを使うことができるんだ。これにより、全体の通信速度を最大化することが可能になるよ。

なるほど、それなら混雑した時でも効率的にデータを送ることができるんですね。ところで、パケット通信と、TCP/IPって関係があるんですか?

最適なルートを選ぶところを制御しているのがTCPで、データをパケットに分割するところがIPと理解すれば良いよ。

今日の授業でインターネットの仕組みがわかったような気がします。ありがとうございました。

こちらこそ。そう言ってもらえて嬉しいよ。

黒板2

まとめ

まとめ
  • 通信プロトコルの基本
    通信プロトコルは、ネットワーク上のデバイスがデータをやり取りするための共通ルール。OSやソフトウェアが異なる機器でも通信可能にする。
  • TCP/IPの4層モデル(上層)
    TCP/IPはインターネット通信の基本となる4層のプロトコル群。上位に位置するアプリケーション層とトランスポート層では、それぞれ特定のアプリケーション間の通信と、ネットワーク上でのデータの送受信を管理する。
  • TCP/IPの4層モデル(下層)
    下位の層にはインターネット層とネットワークインターフェース(リンク)層があり、それぞれデータの送受信先の特定と、具体的なハードウェアを通じたデータの送受信を管理する
  • 通信方式の種類
    通信方式には回線交換とパケット交換の2種類があり、前者は回線を占有、後者はパケットに分割して送信し回線を占有しない。
  • パケット通信の概念
    パケット通信はパケット交換方式の通信で、宛先情報とデータで構成されたパケットを受信したルータが送信先に転送する。

名言解説

自分のアイデアを共有しなければ、賢い人たちはそれについて何もすることができず、あなたは匿名のままで無力なままになってしまいます。”ヴィントン・グレイ・サーフ
Information sharing is power. If you don’t share your ideas, smart people can’t do anything about them, and you’ll remain anonymous and powerless.
Vinton Cerf

ヴィントン・グレイ・サーフは「インターネットの父」とも称される人物で、TCP/IPプロトコルの共同開発者として知られています。TCP/IPは、インターネットの基盤となる技術であり、彼の貢献は現代の情報社会を形成する上で非常に重要です。

この名言は、インターネットの本質と情報共有の重要性についての洞察を示しています。サーフはインターネットが情報を瞬時に世界中に伝える手段であることを示し、アイデアを共有しないことのリスクについて述べています。アイデアを持っているだけでは、それが実現されることはありません。それを共有することで、そのアイデアを実現できる賢い人々とのコネクションが生まれるのです。

情報の時代に生まれ育ったあなたたちは、情報を自由にアクセスし、共有する力を持っています。しかし、その力を最大限に活用するためには、自分の考えやアイデアを恐れずに共有する勇気が必要です。あなたの一つ一つのアイデアが、未来を変える可能性を秘めていることを忘れないでください。そして、インターネットを通じて、世界中の人々と繋がり、共に新しい価値を創造していきましょう。

問題

「クイズをスタート」のボタンをクリックすると、5問出題します。さあチャレンジ!

以下のうち、パケット交換方式の特徴は何ですか?
通信プロトコルの目的は何ですか?
アプリケーション層の役割は何ですか?
ネットワークインターフェース(リンク)層の役割は何ですか?
パケット通信におけるパケットの内容は何ですか?
33.通信プロトコルとパケット
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編集者ひとこと

通信プロトコルについての授業いかがでしたでしょうか?今回勉強した4層構造の他に、OSI参照モデルの7層構造というのもあって(こちらが本家)、アプリケーション層のところが3つの層つまり、アプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層に分かれています。

私がエンジニアになりたての頃は、この7層構造の名前を覚えることから始まりました。といっても、なかなか覚えられないので、上の層から頭文字を取って、アプセトネデブと記憶して、今でもこの呪文を唱えて思い出しています。

このようなモデルが頭に入っていると、他の人と話すときにもイメージを共有しやすくなるので、エンジニアを目指す方はぜひ工夫して覚えてくださいね。

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