本日は、インターネットに関する授業を進めていきます。情報通信ネットワーク、WAN、LANといったキーワードを中心に、これらの概念と役割を解説していきます。身近な存在であるインターネットが、どのようにして情報をやり取りしているのか理解することで、その重要性と利便性を再認識しましょう。
黒板
授業
インターネットとは?
さあ、今日の授業はインターネットについての話だよ。今更だけど、インターネットって何だろう?
えっ。なんだか当たり前すぎる質問ですね。全世界のコンピュータが接続されていて、情報をやり取りできるようなネットワーク…ってところでしょうか?
その通りだね。ただし、ちょっとした補足をすると、それぞれの情報機器が接続されて形成されているのがコンピュータネットワークで、これらが世界規模でつながっているものをインターネットというんだ。
なるほど。でもスケールが大きすぎて、なんだかピンときませんね。
少し分解して考えていこう。まず、コンピュータネットワークはその規模によりWAN(広域ネットワーク)やLAN(ローカルエリアネットワーク)という形態があるんだ。
LANやWANって聞いたことはあるんですけど、どう違うんですか?
LANとは?
LANはLocal Area Network(ローカルエリアネットワーク)の略。ローカルつまり、限られた範囲、例えば家庭や学校、会社などで利用されるネットワークのことを指すんだ。
んー、例えば家のWi-Fiとかがそれにあたるんですか?
それも一つの例だね。Wi-Fiは無線LANの一種で、LANケーブルを用いて情報機器を物理的に繋ぐ有線LANと比べて、自由な場所でインターネットを利用できるメリットがあるよ。
スマホも無線なんだから、LANも全部無線で良いんじゃないですか?
有線LANの方が通信速度は一般的に速いし、通信の安定性も高いんだ。また、セキュリティ面でも物理的にケーブルを通じて接続されている有線LANの方が、無線LANよりも安全とされているんだ。
なるほど。通信が安定しているから、フォートナイトなどの重たいゲームでは有線LANでの接続を推奨しているですね。
その通りだよ。ただ、無線LANの技術も日々進化していて、Wi-Fi6などの新しい規格では、有線LANに近い速度や安定性を実現できるようになってきているんだよ。だから、無線LANと有線LAN、どちらを選ぶかは、使用環境やニーズによるね。
なるほど。便利さと性能、安全性を比較して使い分けてみます。
WANとは?
さて、次にWANについて説明しよう。WANはWide Area Networkの略で、日本語では広域ネットワークと呼ぶんだ。これは地理的に離れたLAN同士を接続するネットワークのことを指すよ。
なるほど、LANが家や会社の中のネットワークなら、WANはそれらをつなげる大きなネットワークということですか?
その通りだよ。例えば、ある会社が東京に本社を持ち、大阪に支社を持っているとしよう。この二つのオフィスのLANは地理的に離れているので直接接続することは難しい。でも、WANを利用することで、東京のオフィスと大阪のオフィスがまるで一つのネットワークにいるかのようにデータのやり取りをすることができるんだ。
なるほど。でも、そんなに大きなネットワークを作るのは大変そうですね。
そうだね。これを個別の企業が作っていたら大変だから、ほとんどのWANは既存の公衆通信ネットワークを利用して構築されているんだ。インターネットもWANの1つで、LANとLANをつないだワイドなネットワークといえば分かりやすいよね。
なるほど。WANのおかげで、世界中の人たちともコミュニケーションが取れるんですね。
その通り。そして、LANとWANをつなぐためには特定のデバイスが必要だ。それが「ルーター」なんだ。ルーターは、LANの内部のデバイスとWAN、例えばインターネットとの間でデータを適切に転送する役割を持っているよ。
じゃあ家にあるWi-Fiルーターも、家のデバイスとインターネットをつなぐ役割があるんですか?
その通り!家のWi-Fiルーターは、家の中のデバイスをLANと接続し、そのLANをインターネットの入り口であるISP(インターネット・サービス・プロバイダ)に接続する役割を持っているんだ。ルーターは、データパケットが正しい宛先に届くようにルーティングする機能も持っているよ。
ルーターにはそんな重要な機能があったんですね。
インターネットの歴史
今は世界中の人が使っているインターネットだけれども、もともとはアメリカの国防総省が開発した軍用のネットワークから発展したんだよ。それが商用化され、WWW(ワールドワイドウェブ)の登場とともに一般家庭に広まった。それから急速に普及して、今では生活の一部となっているね。
え、国防総省?それって戦争とか関係あるんですか?
そうだよ。もともとは冷戦時代に、もし核戦争が起きても通信が続けられるようなネットワークとして開発されたんだ。それが進化を続けて今のインターネットになったんだよ。
うわー、普段ネットを見ているときには全然思わなかったです。こんな深い歴史があるんですね。
インターネットの進化
インターネットは日進月歩で進化を続けているんだ。かつては文字情報のやり取りが主だったが、今では動画や音声、さらには3DデータやVR(仮想現実)の世界まで広がっている。
VRとかもインターネットの進化の一部なんですね。これからもっと進化するんでしょうか?
もちろんだよ。例えば、IoT(Internet of Things)という概念があるよね。これはさまざまなモノがインターネットに接続されることで、これまで以上に便利で豊かな生活を実現することを目指しているんだ。
IoT…、冷蔵庫とか車とかもネットにつながっていくんですよね。未来っぽいですね。
その通り。今後はAI(人工知能)がより発展し、それがインターネットと連携することで、私たちの生活はさらに変わっていくだろうね。
インターネットに対する理解はますます重要になりそうですね。ありがとうございました。
こちらこそ、よく聞いてくれてありがとう。次回の授業も楽しみにしていてね。
まとめ
名言解説
It is probably dangerous to use this theory of information in fields for which it was not designed, but I think the danger will not keep people from using it.“ J. C. R. Licklider
この名言はJ. C. R. Licklider(ジョセフ・カール・ロブネット・リックライダー)という人物によるものです。彼は「インターネットの父」とも称される人物で、ARPAネット(先代インターネット)の開発を指導した情報科学者であり、心理学者でもありました。彼の業績は現代の情報社会の基盤を築くうえで大変重要なものでした。
リックライダーの名言は、技術や理論の使用におけるリスクと可能性について述べています。「この情報理論を、それが意図されていない分野で使用するのはおそらく危険です」という部分で、新しい発見や技術が意図しない方法で使われた場合、それが予期しない結果や問題を引き起こす可能性があることを示唆しています。
しかし、彼は同時に「でも、その危険性が人々がそれを使用することを止めるわけではないだろう」と付け加えています。これは新しい技術や理論の力を信じ、それらが人類の発展に大きく寄与できるという彼の信念を示しています。
未来を切り開くのは皆さん自身です。挑戦と冒険の精神を持って学び続け、リスクを管理しながら新しい可能性を探求していってください。
問題
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編集者ひとこと
いよいよ、情報Ⅰ1の最終章「情報通信ネットワークとデータの活用」に入りました。コンピュータとプログラミングの章が少し重かったので、それに比べると知っている知識もあるのではないか思います。最後までお付き合い願います。
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