今日の授業では、ユーザインタフェースについて学びます。初期のコンピュータではCUIが用いられ、現在ではアイコンを操作するGUIが主流です。これらを理解すると共に、ユーザビリティやアクセシビリティ、そしてJIS X8341についても触れ、ユーザエクスペリエンス(UX)の向上方法について探ります。
黒板
授業
ユーザインタフェースって何?
それでは、今日の話題はユーザインタフェースだ。ユーザインタフェースとは、ユーザーがシステムを操作するための「窓口」のようなものだね。
それなら、毎日スマホを触っているから、結構詳しいかも。
そうだね。でも、初期のコンピュータのインタフェースは、今のようにアイコンをタップするGUIではなく、CUIだったんだよ。
CUIって何ですか?
CUIとGUI
CUIは、Command User Interfaceの略で、文字ベースのインタフェースのことを指すんだ。今もサーバの管理などでよく使われているよ。
文字だけで操作するなんて、大変そう。
それが技術の進歩でね、今ではアイコンをクリックしたり、スワイプしたりするGUI(Graphical User Interface)が主流になっているんだ。
いつもスマホの操作で使っているのがGUIですね。
ユーザビリティとアクセシビリティ
では、次に「ユーザビリティ」と「アクセシビリティ」について話そう。なおや君、これらの言葉を聞いたことあるか?
うーん、「ユーザビリティ」って、使いやすさのことだよね?「アクセシビリティ」は初めて聞きました。
その通り、「ユーザビリティ」は使いやすさを指す言葉だよ。コンピュータやスマートフォンがいくら高度な機能を持っていても、その使い方がわからなかったら、役に立たたないよね。だから、提供する製品やサービスに対する、利用者の満足を得るためには、ユーザビリティを向上させることが重要なんだ。
あーなるほど。でも、「アクセシビリティ」は何ですか?
「アクセシビリティ」は、能力や条件によらない、幅広い人々にとっての情報やサービスへのアクセスのしやすさや利用のしやすさの事だ。たとえば、視覚障害のある人でも使えるように、音声で指示を出す設計などだね。
なるほど、だからスマホには音声読み上げの機能とかがあるんですね。
そうだね。そして、これらの基準はJIS X8341「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス」で規格化されているんだよ。ちなみに、この「8341」は「やさしい」から来ているんだよ。
規格があるんだ。知らなかったよ。でも、それって誰が決めるんですか?
それは日本産業規格(JIS)によるものだよ。その規格に従って設計された製品はJISマークをつけることができ、それが品質の証明になるんだ。
ユーザエクスペリエンスの向上
なるほど。でも、ただ使いやすさや規格に合っているだけじゃなくて、使っていて楽しいとかそういうのも大事だと思うんですけど。
おっ、なかなか良い視点だね。そう、それが「ユーザエクスペリエンス(UX)」という概念になるよ。ユーザが製品やサービスを使って得られる全体的な体験のことを指すんだ。
「ユーザエクスペリエンス(UX)」…なるほど。だから、単に機能が多いだけでなく、それらをどう組み合わせてユーザに提供するかが大切なんですね。
その通りだよ。ユーザビリティ、アクセシビリティ、そしてユーザエクスペリエンス、これらの観点は、製品やサービスがユーザにとってどれだけ有用で価値あるものであるかを評価する上で重要な基準だよ。
まとめ
名言解説
Usability rules the Web. Simply stated, if the customer can’t find a product, then he or she will not buy it. – Jakob Nielsen
ヤコブ・ニールセンは、ユーザビリティ(使用しやすさ)とユーザエクスペリエンスに関する世界的に権威ある専門家です。彼はウェブデザインやソフトウェア設計におけるユーザビリティの重要性を長年にわたり主張してきました。
この名言は、「ユーザビリティがWebを支配している」と述べており、ウェブサイトやアプリケーションの設計において、ユーザーが簡単に操作でき、探している情報や商品を迅速に見つけることができることが極めて重要であることを示しています。ユーザが目的の商品や情報を見つけられなければ、それは購入されることはない、つまりビジネスとして成功しないということです。
高校生の皆さん、情報Ⅰの授業で学ぶユーザインタフェースについては、ただ見た目が綺麗であるだけではなく、ユーザビリティを重視することが重要です。それが製品やサービスの成功に直結します。皆さんが今後、何かを設計する際には、ユーザの視点を忘れずに、彼らが求める情報を簡単に見つけられるようなデザインを心掛けてみてください。
問題
「クイズをスタート」のボタンをクリックすると、5問出題します。さあチャレンジ!
編集者ひとこと
ヤコブ・ニールセンが1995年に提唱したUI設計における「ユーザビリティ 10 原則」を紹介すると、
#1: システムの状態を可視化する (Visibility of system status)
#2: 実世界とシステムをマッチングさせる (Match between system and the real world)
#3: ユーザに制御の主導権と自由を与える (User control and freedom)
#4: 一貫性と標準性を保持する (Consistency and standards)
#5: エラーを起こさない (Error prevention)
#6: 覚えなくても理解できるデザインにする (Recognition rather than recall)
#7: 柔軟性と効率性をもたせる (Flexibility and efficiency of use)
#8: 最小限で無駄のないデザインにする (Aesthetic and minimalist design)
#9: ユーザ自身で認識、診断、回復ができるようにする (Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
#10: ヘルプとマニュアルを用意する (Help and documentation)
いつも壁に貼っておきたいくらい、重要なポイントばかり。このブログはどこまで出来ているかというと、うーん。まだまだ勉強が必要ですね!
次回は、「プレゼンテーション」について学びます。なおや君が、かっこいいプレゼンを見せてくれるので、お楽しみに。
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